正しさより楽しさへの追求の旅

様々な切り口から正しさよりも楽しさだと証明するためのblogです。

世界の異端児 大木武が考える日本サッカーの日本化

著者は大木サッカーが大好きだ。日本のサッカーの未来は大木サッカーだとも思っている

大木武(オオキ タケシ)

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主な指導歴=甲府(監督)-清水(監督)-甲府(監督)-清水(監督)-川崎U-18(監督)-甲府(監督)-日本代表(コーチ)-京都(監督)-磐田U-18(監督)-FC今治(アドバイザー)‐FC岐阜(監督)


大木サッカーとは?

「即断」「即決」。――大木サッカーをひと言で表すならば、こんなふうに表現してみたい。

 

「日本代表が高度経済成長を成し遂げられた理由は、勤勉さとか言うわけでしょ。組織力がある、俊敏性だってスピードだってある。だったら戦術どうのこうの言うよりさ、そうしたところを生かしていこうよ」

 

「フィジカルで勝てない黒人選手に1対1でかなわなかったら1対2にすればいい。よく協会の話にコンタクトプレーに弱いって話になるけど、じゃ当てなきゃいいって発想にならないのかな?当たるくらいならパスで逃げろよと、そして逃げてもう一回受けろよと。そうすると簡単に答えがでてきちゃう気がするんだけどな。」

 

「長い距離を走れなければスモールスペースでやればいい。背が大きくないのでロングボールを蹴られたらやられるというなら、前からプレスをかければいい。簡単だと思うんだけどな、俺だけかな?、そんな単純に考えている奴は」

 

シンプルな考えだが、大胆でもある。

 

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■大木サッカーの理論
大木式トータルフットボールは、守備から始まる。発動点はごくシンプルなので、その時点での「即断」は難しくはない。原理原則は、

“ボールの一番近くにいる者が、当たりにいく”

ということ。いわゆるボールへのアプローチ、ファーストコンタクト。その際、ポジションを崩しても構わない。2番目に近い人は、次を予測して「囲む」「奪う」または「受ける」ためのフォローに入る。空いたポジションは誰かが埋める。それを同時多発的に起こせば相手を常に先回りできるが、どこかが遅れるとズレが生じて守備に「穴」が空いてしまう。

そこでフォローの動きを有効にするため、守備の網は狭めてしまおう。奪ったボール持ち出すためにその網を伝ってポンポンとパスで繋いでいこう。――理論上はこれで「奪う→攻撃」がスムーズに連動してゆくことになる。実際上手くハマた時は、「次々に人が湧いてくる」(by岡山・影山雅永監督)状態を見せてくれた。

 

2012年5月20日第15節岡山戦後の影山監督コメント

「ただ、京都のボールポゼッションは素晴らしいですね。このリーグの中でも屈指、独特のポゼッションの仕方ですが、非常に流動的で、次々に人が湧いてくる、そして正確ということで、後手を踏んでしまう時間帯もあったかなと。」

 

大木語録 

 

甲府・京都で監督を務めているときから名言を連発。多くのファンを虜にした。

 

「サッカーはエンターテイメントだ。」

 

「結果より大切なものがあるわけです。それは、いつも言うようにヴァンフォーレをみたらもう一度見たいと思ったり、ああサッカーっていいスポーツなんだなと思ったりしてくれることがやっぱり大きいと思うんですよ」

 

「ファッションは一瞬。スタイルは永遠。そのスタイルが出来つつある。」

 

オシム監督は走るサッカーと言うが、われわれは2年前からやってきた。今はもう次の段階だ。チームも会社も迷っているヒマはない。決断し実行するだけだ」

 

岡田監督が惚れこみ日本代表のコーチに抜擢

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日本代表の岡田監督が掲げるサッカーがどこから出てきたか?

「2002年のFIFAワールドカップでは、韓国が4位になっています。日本代表が同じように世界を驚かせるにはどうしたらいいのか。今までのように、欧州や南米の後ろを同じ方法で追いかけていては、近づくことは出来ても追い越すことは出来ません。追い越すためには別の道を行く必要があると感じています。これまで別の道はないと言われてきました。

(中略)

そうやって日本人の特徴、いいところを考えた時に、一つの言葉が浮かんできました。早稲田大学の先輩で、ラグビーの日本代表監督を務めたこともある大西鉄之裕さんが掲げた”接近・連続・展開”です。

(中略)

例えばディフェンスをする時に、身体が大きくてスピードのある相手を待ち受けていても、抑えることは出来ない。組織を作って待っているだけのディフェンスでは、とても耐えられない。だから”接近”する。相手に食らいついて、ボールがあるところに常にプレスをかける。そしてマイボールになったら、今度は相手とのコンタクトを避けて”人とボールを早く動かし”素早く”展開”する。この時に、1対1の勝負では恐らく勝てない。それならば、2対1、3対1の状況をあちこち作ればいい。そのために相手より早く、多く走る。こしたサッカーを何度も繰り返す。”連続”して仕掛けるのです。日本代表が世界で勝つための方法は”接近・展開・連続”だと考えています。」

 

 

ここで、このことを体現していたのが大木武監督だったのです。

 

現在はFC岐阜の監督

2017年、ついに大木武監督がJに戻ってきました。

 

 

 

 

「練習が終わる時間になっても、本当は練習をやめたくない。もっとサッカーをしていたいんだ。岐阜のサッカー、面白いだろ?」

 

日本サッカー協会の指針の正しさではなく、 大木武が考える日本サッカーの日本化を岐阜は体現している。

 

正しさより楽しさへの追求の旅は続く